ローランド・エメリッヒ監督の映画「ムーンフォール」では、「月が地球に落ちてくる」という前代未聞の脅威が描かれています。
これに関して科学系メディアのLive Scienceが、「本当に月が地球に落ちてくることはあり得るのか?」という疑問について解説しています。
月は非常に薄いガスの層をまとった岩石質の天体であり、月は地球から約38万4000km離れた軌道を公転し、質量は約7000京トン以上と推定されています。
そんな月が形成されたのは地球とほぼ同じ約45億年といわれており、月の形成について広く受け入れられている仮説は、初期の地球に火星ほどの大きさの天体が
衝突してできたとする「ジャイアント・インパクト説(巨大衝突説)」です。
他にも、火星の約5倍ほどの天体が衝突して地球と月が同時にできたとする説や、小さな天体が何度も衝突を繰り返して月ができたとする説もあります。
月が形成されるほど大規模な衝突があったことや、月の表面には小惑星などが衝突してできたクレーターが大量に存在することを考えると、
「大規模な天体衝突が起きて月が軌道から外れる」という可能性もありそうな気がしてきます。
しかし、NASAのジェット推進研究所で地球近傍天体研究センター(CNEOS)のマネージャーを務めるポール・チョーダス氏は、
月に存在するクレーターの多くは太陽系に多くの岩石や小惑星が漂っていた数十億年前のものであり、記事作成時点では当時ほど太陽系を漂う天体が多くないと指摘。
「地球や月に衝突する物質が少なくなり、衝突の回数は大幅に減りました」と述べています。
Source: GIGAZINE(ギガジン) 最新情報