2022年2月に始まったロシアによるウクライナ侵攻に対抗するため、アメリカを始めとする西側諸国は厳しい経済制裁を実施しました。
しかし、一時急落したロシアルーブルの相場がウクライナ侵攻前の水準に戻るなど、経済制裁の効果が出ていないようにも見えます。
そんな経済制裁の効果について、ロシア経済を専門とするパリ政治学院の経済学教授であるセルゲイ・グリエフ氏が解説しました。
グリエフ氏によると、開戦前のロシア経済は停滞気味だったものの、マクロ経済的な観点、つまりロシア全体の経済を見る上では危機的ではなかったとのこと。
このような状態は、経済学者の間では「泥沼にはまり込んでいるので崖から落ちる心配はない」と表現されるそうです。
実際に、2013年以降のロシア経済は、年平均にすると約1%前後のGDP成長率で推移していました。
ロシア経済には、「汚職や政治的なしがらみに縛られた商習慣、国際経済からの孤立」といった課題があったものの、「政府の債務の少なさや充実した
政府系ファンドの存在、豊富な外貨準備高」といった強みもあったため、ロシアは緩やかな経済成長を続けることができました。
Source: GIGAZINE(ギガジン) 最新情報