深海の生物はなぜ巨大なのか?

投稿日:2022年5月9日 更新日:

一般的なサイズよりも14倍も長いイカや、ミニバンサイズの海綿動物など、深海に生息する生物はしばしば巨大です。なぜ深海に生息する生物は巨大なのかについて、科学系ニュースメディアのLive Scienceがまとめています。

ニュージーランドの文化遺産省により開設されたオンライン百科事典のニュージーランド大百科によると、亜南極海域に生息する巨大なイカである「ダイオウホウズキイカ」はニュージーランドで一般的なイカである「ヤリイカ」の約14倍の長さがあります。ダイオウホウズキイカはダイオウイカと並んで世界最大級の無脊椎動物として知られており、どちらも深海域に生息するイカです。

海中に存在する食べ物の多くは浅い海域に存在しているため、海の最深部は他の海域と比べて資源が乏しくなっています。カリフォルニアのモントレーベイ水族館で働くアリシア・ビトンド氏によると、そのような食料が乏しい場所に生息する生物は、体を大きくすることで大きな利点が得られるとのこと。

ビトンド氏は「体の大きな生物は、食べ物を見つけたり仲間を見つけたりするのが容易になり、より速くより遠くへ移動することができるようになります。また、体が大きな生物はより効率的な代謝を持つため、少ない食べ物で長時間活動することも可能です。そのため、浅い海域で死んだ生物の死がいが深海までたどり着いた際、体の大きな生物は他の生物よりも多く死がいを食べることが可能となり、『より多くのエネルギーをより長時間体内に蓄える』ことができます」と語っています。

さらに、深海の低い水温が生物の代謝を著しく遅くすることで「深海生物の巨大化」を助長している可能性もあります。深海に生息するニシオンデンザメは、1年で1cmしか成長せず、約150年かけて成熟すると言われており、体長24フィート(約7.3メートル)・体重1.5トンにまで成長するケースもあります。ビトンド氏によると、深海には捕食者がいないためニシオンデンザメは非常に大きく成長することができるとのこと。このニシオンデンザメのように、深海生物には成長に非常に長い時間がかかるというケースが頻繁にある模様。

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Source: GIGAZINE(ギガジン) 最新情報

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